タヒチ語

タヒチ語
タヒチ語(タヒチご、reo Tahiti)は、オーストロネシア諸語の東マレー・ポリネシア語派に属し、フランス領ソシエテ諸島のタヒチ島およびその他の島々で話されている言語. 東マレーポリネシア諸語の一角をなし、タヒチ諸語の中心的な言語とみなされる.

タヒチ語は「レオ・マーオヒ (reo mā’ohi)」諸語の中で最も重要な言語である. 「レオ・マーオヒ」は、フランス領ポリネシアで話されている言語を一括りにしたもので、「語群」でまとめられる言語の集団を越えたものである. 「レオ・マーオヒ」には、タヒチ語の他に以下の言語や方言が含まれる.

* トゥアモトゥ諸島の言語「レコ・パウモトゥ」および7つの方言的変種を含む

* マルキーズ諸島の言語. 北西部の言語(エオ・エナナ)と南東部の言語(エオ・エナタ)

* オーストラル諸島(トゥブアイ諸島)の言語およびその変種. 「レオ・ラパ」とオーストラル語. ルルトゥ、トゥプアイ、リマタラ、ライババエと呼ばれる変種に分類される

* ガンビエ諸島の言語、レオ・マンガレバ

これらの言語は発音が異なることもあれば、互いに意思疎通ができない場合もある. この地域で様々な言語の話者が意志疎通を行うのにフランス語が最も標準的な言語であり続けていることを除けば、実際タヒチ語は、話者人口の多さから、また地域の行政やコミュニケーションの手段として用いられることから、フランス領ポリネシア住民の多くに理解される.

他のポリネシア諸語と同じく19世紀までタヒチ語には書き言葉がなく、文字によらず口承によって存続していた言語だった. タヒチ語を初めて文字で表す作業を行ったのはロンドン宣教師協会の宣教師らだった. タヒチ語が話し言葉のみの言語だったこと、最初に文字で記したのがヨーロッパ人だったことから、ラテン文字が多少独自の特徴を加えつつこの言語の表記に使われている.

  • フランス領ポリネシア
    フランス領ポリネシア(フランスりょうポリネシア、Polynésie française)は、南太平洋にあるフランスの海外共同体(Collectivité d'outre-mer、略してCOM:英語:overseas collectivity、海外準県)であり、その中でも海外領邦(仏語:Pays d'outre-mer、略してPOM:英語:Overseas Country)という特別な地位を有している. ポリネシアのいくつかの諸島からなる.

    ソシエテ諸島のタヒチ島は、リゾート地として最も有名な島で、フランス領ポリネシアの中心地でもある. タヒチの面積は1,608km2の火山島でオロヘナ山(2,237m)が最も高い山. 人口も最大であり、行政所在地パペーテがある. コプラ、ノニ(ヤエヤマアオキ)、真珠母貝、黒蝶貝真珠(黒真珠)、バニラ、果汁、マグロなどを産出する.