バチカン市国(バチカンしこく、Status Civitatis Vaticanae、Stato della Città del Vaticano)、通称バチカンは、ヨーロッパにある国家で、国土面積は世界最小である(ただし、国際連合加盟国に限る場合はモナコが国土最小国に該当する)。ヴァチカンやバティカン、ヴァティカンとも表記される。
バチカンはローマ教皇庁によって統治されるカトリック教会と東方典礼カトリック教会の中心地、いわば「総本山」である。バチカンの統治者は教皇である。ローマ教皇庁の責任者は国務長官(Cardinal Secretary of State, 通常は枢機卿)、実際の統治はバチカン市国行政庁長官兼バチカン市国委員会委員長(Governor of Vatican City and President of the Pontifical Commission for Vatican City State 通常は枢機卿)が務めている。教皇は2013年3月13日に選出されたアルゼンチン出身のフランシスコが務めている。国務長官はイタリア人の枢機卿、行政庁長官兼市国委員長はイタリア出身の枢機卿が務めている。
バチカンという名称は、この地の元々の名前であった「ウァティカヌスの丘」 (Mons Vaticanus) からとられている。ここに教会が建てられ、やがてカトリック教会の中心地となった元々の理由は、この場所で聖ペトロが殉教したという伝承があったためである。