モルドバ・レウ

モルドバ・レウ
L
レウ(Leu, 複数形はレイ: Lei)は沿ドニエストル共和国を除くモルドバで利用される通貨単位. ISO 4217コードはMDL. ルーマニア・レウと同様に補助通貨はバン(モルドバ語: ban, 複数形はバニ: bani)で、1レウは100バニになる. 単位の名前はルーマニア語の「ライオン」に由来する.

1918年から1940年までと1941年から1944年までの間、モルドバはルーマニアの一部であり、ルーマニア・レウはモルドバの東部でそのまま流通した. 1991年12月25日にソビエト連邦が崩壊しモルドバ共和国ができると、それまでに流通していたに替わる新しい通貨モルドバ・レウが誕生した. その当時、モルドバで流通していた暫定通貨に対しては1レウ=1000クーポンのレートで兌換された.

  • モルドバ
    モルドバ共和国(モルドバきょうわこく、Republica Moldova)、通称モルドバ、モルドヴァ(Moldova )は、東ヨーロッパの内陸国. 西はルーマニア、北・東・南はウクライナと国境を接し、面積は3万3851平方キロメートル. 首都および最大都市はキシナウである. ウクライナとの国境に挟まれたドニエストル川左岸(トランスニストリア地域)には、中央政府の実効支配が及んでいない「沿ドニエストル共和国」を称する、国際的にはほぼ未承認の国家がある.

    モルドバの国土は、歴史的にモルダヴィアと呼ばれた、ウクライナ南西部やルーマニア北東部も含む地域の一部にある. 1349年に建国されたボグダニア公国が後にモルダヴィア公国へ発展したものの、1512年にオスマン帝国の属国となった. 北から伸張したロシア帝国が度重なる露土戦争でオスマン帝国を圧迫し、ヤシ条約でトランスニストリア南部を、1812年のブカレスト条約ではモルドバの国土の大半に当たるベッサラビアを併合した. 1856年、ベッサラビア南部はモルダヴィアに返還され、3年後にモルダヴィアはワラキアと統合してルーマニア公国となったが、1878年に全土がロシア帝国に支配されるようになった. 1917年のロシア革命では、ベッサラビアは一時モルダヴィア民主共和国と呼ばれるロシア共和国の自治州となった. 1918年2月、モルダヴィア民主共和国は独立を宣言し、同年末、議会の議決を経てルーマニア王国に統合された. この決定にはソビエトロシアも異を唱え、1924年にはウクライナ・ソビエト社会主義共和国内で、ベッサラビア東部の一端に設けられたモルドバ人居住地にモルダヴィア自治共和国を建国した.