グアラニー語

グアラニー語
グアラニー語(グアラニーご)またはグアラニ語(グアラニご)、ワラニー語(ワラニーご、Guaraní、原語名: アバァニェエン (Avañe'ẽ))は、トゥピ語族に属する南アメリカ先住民の言語である. パラグアイではスペイン語と共に公用語として用いられるほか、同国人口の88%がこれを解し、地方部では住民の半数がグアラニー語のみを母語としている. またパラグアイに限らず、アルゼンチンのメソポタミア地方やブラジル南西部など近隣諸国の住民の間でも用いられており、ボリビアでは他の先住民言語とともに公用語のひとつとして、アルゼンチンのコリエンテス州ではスペイン語に次ぐ第二公用語に指定されている.

グアラニー語はアメリカ先住民諸語としては最も話者が多い言語の一つであり、中でも唯一大きな比率で非先住民の話者を擁する. これは南北アメリカ大陸では興味深い例外である. というのは、グアラニー語を除くと、スペイン人とアメリカ先住民の混血であるメスティーソや、文化的同化の進んだ上昇指向の強いアメリカ先住民の中では、植民地言語(この場合、他の公用語であるスペイン語)への移行がほとんど全体に共通した文化およびアイデンティティの標識となっているからである.

イエズス会の宣教師で Tesoro de la lengua guaraní (グアラニー語の宝)を著したは、グアラニー語について「豊かで格調高く、最高の名声を受けるに匹敵すべき」言語であると述べている.

なお一般にグアラニー語といえばパラグアイの公用語を指すが、この言語はグアラニー諸語、もしくは方言連続体の一部であって、これらの言語群に属する姉妹語の過半も同じくグアラニー語と呼ばれていることに留意されたい.

イエズス会はインディヘナに対するローマ・カトリックの布教をグアラニー語で行い、イエズス会伝道所のような自治共同体でもグアラニー語が用いられた. また往時のパラグアイを支配していた諸々の独裁者が国境を閉ざしてしまったために、国内の文化や言語は守られる結果となった. こうしてグアラニー語は活力を保って生き延び、公用語の地位を得たのであった.

  • アルゼンチン
    アルゼンチン共和国 (アルゼンチンきょうわこく、República Argentina)、通称アルゼンチンは、南アメリカ南部に位置する連邦共和制国家. 位置は南米大陸から見ると南西側に位置しており、西と南にチリ、北にボリビア・パラグアイ、北東にブラジル・ウルグアイと国境を接し、東と南は大西洋に面する. ラテンアメリカではブラジルに次いで2番目に領土が大きく、世界全体でも第8位の領土面積を擁する. 首都はブエノスアイレス.

    チリとともに南アメリカ最南端に位置し、国土の全域がコーノ・スールの域内に収まる. 国土南端のフエゴ島には世界最南端の都市ウシュアイアが存在する. アルゼンチンはイギリスが実効支配するマルビナス諸島(英語ではフォークランド諸島)の領有権を主張している. また、チリ・イギリスと同様に南極の一部に対して領有権を主張しており、アルゼンチン領南極として知られる.
  • パラグアイ
    パラグアイ共和国(パラグアイきょうわこく、República del Paraguay、Tetã Paraguái)、通称パラグアイは、南アメリカ中央南部に位置する共和制国家である. 東と北東をブラジル、西と北西をボリビア、南と南西をアルゼンチンに囲まれている内陸国である. 首都はアスンシオン.

    なお、パラグアイの国旗はデザインが表と裏とで異なっている(パラグアイの国旗を参照).