ザグレブ (Zagreb)
アルプスやディナルアルプス、アドリア海方向へ広がるパンノニア平原南西部の有利な地理的な条件により、中央ヨーロッパとアドリア海を結ぶ良く整備された交通回廊によって周辺地域と結ばれている. ザグレブは交通の要衝である他、産業の集積や科学研究機関、伝統的な産業などでクロアチアで先導する地位にある. また、首都としてクロアチアの中央政府や行政機関、省庁のほとんどがザグレブに拠点を置いている.
ザグレブ新市街は、南のザグレブ中央駅からバン・ヨシップ・イェラチッチ広場(共和国広場)まで碁盤の目状に広がる. 創立300年以上の歴史をもつザグレブ大学、主要官庁などのネオクラシック調の建物とユーゴスラビア時代の建物、新しい高層ビルが混然としている. 共和国広場から坂を上がると(世界一短距離のケーブルカーあり)、ザグレブ大聖堂、サン・マルコ教会がある. そこから北に向かって旧市街が広がる. ここにはゴシック様式とバロック様式の建物が多く、中世の町並みがよく残っている.
メドヴェドニツァ山脈 (Zagrebacka gora) は最高峰スリェメ山 (1,033m) をいただき、そこからザグレブ都市圏、サヴァ川、クーパ谷、フルヴァツコ・ザゴリェ (Hrvatsko Zagorje) 地方を望むすばらしいパノラマ展望を得られる. 天候がよければ山頂からは、ヴェレビト山 (Velebit) や、スロベニア近くにある雪をかぶったジュリアンアルプスまで望むことが出来る. ハイカーに宿とレストランを提供する山小屋がいくつかある. スキーヤーならば、4本のスキーコースと3つのスキーリフト、1つのチェアリフトを持つスリェメを訪れる.
古都メドヴェドグラード (Medvedgrad) は13世紀に建てられた中世の城塞都市で、最近修復されたものだが、メドヴェドニツァの丘の特別な観光名所である. そこから市内の西側を見下ろすことができ、また「祖国の殿堂」がある. これは絶えず灯明が灯っている記念建造物で、通例は国民の祝日に、歴史上祖国のために倒れた全ての英雄にクロアチアが崇敬を払うための場所である.