ベラクルス州 (Estado de Veracruz-Llave)
気候は、海岸沿いでは、高温多湿であり、やや内陸の丘陵地帯は、多湿であるが涼しくなる. プエブラ州、イダルゴ州、オアハカ州との州境に近い山岳地帯は、やや寒冷で多雨である. 6月から10月にかけては、カリブ海などで発生するサイクロンの影響を受ける.
州のフォーマルな名称は、「Veracruz de Ignacio de la Llave(イグナシオ・デ・ラ・ジャベの聖十字架)」あるいは、短縮して「Veracruz-Llave」という. 州の名称が、単なる「Veracruz」になったのは、フランスがメキシコに侵攻していた1863年に、将軍イグナシオ・デ・ラ・ジャベが亡くなったときからである. ベラクルス州には、210の自治体があり、住民の80%は、メスティーソで、20%がインディヘナである. 山岳地帯でも山頂に近い場所へ行くと、貧しいインディヘナの人々に出会うことがある. 工業化された港湾都市のベラクルス、コアツァコアルコスと対照的である.
ベラクルス州は、先古典期には、オルメカ文明の中心部にあたり、州南部には、サン・ロレンソやトレス・サポーテスなどの祭祀センターが築かれ、繁栄した. 古典期に入ると、州南部では、トレス・サポーテスに加えて、セロ・デ・ラス・メーサス (Cerro de las Mesas) と呼ばれる祭祀センターが築かれ繁栄した. セロ・デ・ラス・メーサスは、点を1、横棒を5と表示する長期暦の日付けのある石碑で知られる. 両方ともテオティワカンの強い影響を受け、円筒型三足土器の出土がみられる. 州の中部には、トトナカ文化の中心都市で、「壁龕のピラミッド」で知られる世界遺産の祭祀センターエル・タヒンや笑う土偶で知られるレモハーダス文化が繁栄した.
* タバスコ州
* チアパス州
* オアハカ州
* プエブラ州
* イダルゴ州
* サン・ルイス・ポトシ州