ブルターニュ (Bretagne)
かつてはブルターニュ王国、そしてブルターニュ公国という独立国だったが、1532年にフランス王国に併合され州となった. ブルターニュは6つあるケルト諸語圏の1つとみなされている. 時には、現在のブルターニュ地域圏と区別する目的で「歴史的なブルターニュ」(Bretagne historique、ブルターニュ・イストリック)と呼ばれることもある.
ブルターニュは、フランス北西部、ヨーロッパ大陸の北西に突き出た半島にある. 北はイギリス海峡、西はケルト海と大西洋、南をビスケー湾と接している. 面積は34,023 km² (13,136 sq mi). ブルターニュとみなされる県が5つある. 西のフィニステール県、北のコート=ダルモール県、北東のイル=エ=ヴィレーヌ県、南東のロワール=アトランティック県、ビスケー湾に面したモルビアン県である.
1956年、これらの県を集めフランスの地域圏がつくられた. ブルターニュ地域圏は、ブルターニュとみなされる5つの県のうち4つで構成される(歴史的なブルターニュの80%を占める). 一方でかつてのブルターニュの一部であるロワール=アトランティック県はペイ・ド・ラ・ロワール地域圏に含まれることになった. この地域圏編成は定期的に論争の種となっている. ブルターニュ王国、ブルターニュ公国、かつてのブルターニュ州、そして現在のブルターニュ地域圏は、ローマ時代にアルモリカとして知られた地方の西部分にあたる.
2010年の調査で、歴史的なブルターニュ人口は概算で4,475,295人であった. これらのうち71%の人口がブルターニュ地域圏で暮らしている. 残り29%はロワール=アトランティック県に暮らす. 2008年時点の都市圏はナント都市圏(854,807人)、レンヌ都市圏(654,478人)、ブレスト都市圏(311,735人)であった.
ブルターニュ(Bretagne)という名称は、ブルトン語でのBreizh、ガロ語でのBertaèynと同様に、「ブリトン人の地」を意味するラテン語のブリッタニア(Brittania、時にはブリタンニアBritannia)からきている. この名称は1世紀以降ローマ人がグレートブリテン、より具体的にはローマ支配下のグレートブリテン島に対して使用した. ブリッタニアとは古代ギリシャ語のΠρεττανικη (プレッタニケ、Prettanike)またはΒρεττανίαι (ブレッタニアイ、Brettaniai)からきている. この名称は紀元前320年代にブリテン諸島を旅したマッサリア(現在のマルセイユ)出身の探検家ピュテアスが用いた.
ローマ人はブルターニュをアルモリカと呼んだ. アルモリカとは、おそらくガリア語で「海に面した」を意味するaremoricaから派生した名称である. 他に、レタウニア(Letauia、英語ではLitavis)は12世紀まで使われていた. おそらく「広くて平坦」または「拡大する」を意味しており、ブルターニュのウェールズ語名Llydawの語源となった.
西ローマ帝国崩壊後、多くのブリトン人がアルモリカに移住し、アルモリカはブリッタニアと呼ばれ始めた. しかし、アルモリカの名は数世紀間残り、5世紀まで完全に消滅することはなかった. 後世になって、ジェフリー・オブ・モンマスのような作家たちがブリテンとブルターニュを区別するため、ブルターニュを小ブリタンニア(Britannia minor)、ブリテンを大ブリタンニア(Britannia major)という名称で呼び始めた.
地図 - ブルターニュ (Bretagne)
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国 - フランス
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