アイスランド・クローナ

アイスランド・クローナ
kr
アイスランド・クローナ (íslensk króna) は、アイスランドの通貨単位である. 略称はISK、複数形はクローヌル(Krónur). 補助通貨単位は「オイラル」で1クローナ=100オイラルだが、現在はまず使われない.

流通はアイスランド中央銀行が管理している. 紙幣は500、1,000、2,000、5,000の4種類、硬貨は1、5、10、50、100の5種類が流通している.

コインには海の生物が描かれており、漁業が経済を支えてきた国ならではの硬貨と言える. 10オイラルはイカ、50オイラルはエビ、1ISKは鱈、5ISKはイルカ、10ISKはカペリン(=シシャモ)、50ISKは蟹、100ISKはランプフィッシュとなっている. また、1ISK以外の硬貨の裏にはドラゴン、肉食鳥、雄牛、巨人の4体の生き物が描かれている. これらは、アイスランドの守護神「ランドヴェーッティル」である. 13世紀にアイスランドで書かれた『ヘイムスクリングラ』にある、昔デンマーク王がアイスランド征服を図って魔法使いを派遣したところ、アイスランドの各方角にこの4体が存在していて征服をあきらめざるを得なかった、という伝承 に基づいている. なお、1ISK硬貨の裏側には巨人しか描かれていない.

最近、アイスランド・クローナの価値は下がりつつあるが、アイスランドの物価は現在も非常に高い状態を維持しており、またインフレ率も2008年現在、前年比10%以上を記録し続けている.

2008年秋にはサブプライムローン問題から発生した金融危機による、財政破綻や対外債務不履行への懸念から価値が急落している. 2007年時点では1ドル約60クローナであったものが金融危機後には通貨暴落で125クローナとなり、為替市場でのその大幅なクローナ安のために輸出ドライブがかかり経常収支が大幅に改善、アイスランドの輸出額はGDPの59%にまで達し 、2011年度には3%を超える経済成長を記録するなど順調に景気が回復している. この通貨安は観光業に恩恵をもたらし、2011年度には約56万人の観光客がアイスランドを訪れその地で買い物をした. これは2010年度に比して16%の上昇である.

  • アイスランド
    アイスランド(Ísland イーストラント)は、北ヨーロッパの北大西洋上に位置する共和制国家. 首都はレイキャヴィーク. 総人口は約35万5620人. グリーンランドの南東方、ブリテン諸島やデンマークの自治領であるフェロー諸島の北西に位置する.

    アイスランド島を主な領土とする島国で、イギリスとのタラ戦争の舞台にもなった漁業基地であるヴェストマン諸島、北極圏上にあるグリムセイ島などの周辺の島嶼(とうしょ)も領有する. 高緯度にあるためメルカトル図法の地図では広大な島のように描かれるが、実際の面積は10万2828平方キロメートルと、フィリピンのルソン島(10万4688平方キロメートル)や、韓国(10万210平方キロメートル)とほぼ同じである. グレートブリテン島(約22万平方キロメートル)の約半分、または日本の北海道と四国を合わせた程度の面積である.